不妊治療

不妊治療と仕事の両立のために

5.5組に1組が不妊の検査や治療をしていると言われています。(※) 不妊の原因は男女半々にあり、原因不明の場合もありますが、治療においては、妊娠をする側の女性の負担が大きいのが実状です。働く女性が、仕事と両立していくためには、何が必要なのでしょうか。企業のサポート事例などを見てみましょう。
※国立社会保障・人口問題研究所「2015年社会保障・人口問題基本調査」による

1.働く女性の43%が仕事と両立できず・・・

不妊治療は通院回数が多いうえスケジュール管理も難しく、働く女性の43%が仕事を辞めた、雇用形態を変えた、もしくは不妊治療そのものをやめてしまっています。



仕事と不妊治療の両立状況(治療中/治療経験者、女性のみ)


仕事と不妊治療の両立状況

2.なぜ両立が難しいのか

月経周期や排卵の準備状態などに合わせた通院が必要で、状態によっては「明日も来てください」と言われるなど、スケジュールが立てにくいのが大きな理由としてあげられます。下の表の通院日数はあくまで目安あり個人の状況によって変わりますが、 一回の診療は通常1~2時間、待ち時間を含めると数時間かかることもあります。



月経周期ごとの通院日数目安

※一般不妊治療:排卵日を診断して性交のタイミングを合わせるタイミング法、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵をおこさせる排卵誘発法、精液を子宮に注入する人工授精など ※※生殖補助医療:卵子と精子を取り出して体の外で受精させてから子宮内に戻す「体外受精」や「顕微授精」 など



また、治療によっては麻酔を使ったり、痛みが残るなど、女性の体への負担が大きく、休みを取るにも職場で不妊治療が理由とは言いにくいなど、 精神的な負担も仕事との両立を難しくしています。



3.助成金のはなし

不妊治療の経済的負担を軽減するため、高額な医療費の一部を助成する公的な制度があります。(対象者に制限あり)



〇「不妊に悩む方への特定治療支援事業」
詳しくはこちら(厚生労働省)



また、国の制度のほかに、自治体が独自の助成を行なっている場合があります。金額を上乗せする形で助成している自治体や、事実婚も対象にしている自治体もあります。 ぜひ、ご自分が住む自治体の助成制度を調べてみましょう。



4.職場のサポート

自分の会社の制度をよく調べてみましょう

会社によっては、「不妊治療休職・休暇制度」や「治療費の補助・融資制度」など導入している会社もあります。 また、有給休暇を時間単位で取得したり、フレックスタイムや時差出勤などを、不妊治療目的で利用できる会社もあります。


不妊治療連絡カード

「不妊治療連絡カード」は、会社側に不妊治療中であることを伝えたり、制度等を利用する際に証明書として使えるツールです。 下記URLからダウンロードして利用できます。



〇不妊治療連絡カード
詳しくはこちら(厚生労働省)


〇不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック
詳しくはこちら(厚生労働省)


5.事業主の皆さまへ

不妊治療を受ける従業員が会社や組織等に希望することとしては、休暇制度や勤務制度の他にも、「有給休暇など現状ある制度を取りやすい環境作り」 や「上司・同僚の理解を深めるための研修」等も一定程度挙げられています。


出典:厚生労働省「平成29年度「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合調査」

〇不妊治療目的での制度活用を周囲に知られたくない人や、制度の恩恵を受けないと不満を感じる人もいるので、不妊治療以外の施策とパッケージ化した 休暇制度を導入すると利用しやすいでしょう。


〇有給休暇の時間単位取得や、フレックス勤務のコアタイム短縮、失効年休積立制度の使用目的に不妊治療を追加するなど、 今ある制度の見直しも有効です。


〇制度があっても使いやすい風土がなければ意味がありません。不妊治療についての研修などを実施して、社内の理解を深めましょう。


〇不妊や不妊治療に関することは、その従業員のプライバシーに属することです。従業員自身から相談や報告があった場合でも、本人の意思に反して 職場全体に知れ渡ってしまうことなどが起こらないよう、プライバシーの保護に配慮しましょう。

〇不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル
詳しくはこちら(厚生労働省)