企業取組事例
株式会社 桃谷順天館

「女性がイキイキと長く働き続けるために・・」をモットーに様々な制度を確立

生理に加え、生理前の不調(PMS)でも休める休暇を“エフ休暇”、不妊治療をサポートする休暇を“ライフサポート休暇”と名付け、 制度の確立と視覚的ストレス軽減により取得申請をしやすくするなど、細やかな環境作りを行っている。

株式会社 桃谷順天館
株式会社 桃谷順天館
https://www.e-cosmetics.co.jp/
  • 業種:製造業
  • 本店:大阪市中央区上町1-4-1
  • 従業員数(男女別):全体 409名(女性 284名・男性 125名)
    産業保健スタッフ数:産業医2名、衛生管理者2名

女性特有の健康支援

生理だけでなく生理前の不調であるPMSでも生理休暇を取得できるようにいたしました。 また、国も力を入れている不妊治療のための休暇についても男女共に取得できるよう整え、それぞれ名称をエフ休暇、ライフサポート休暇とし、名称からくる視覚的ストレス軽減により取得申請をしやすくするための工夫を行っています。 また、2005年ピンクリボン活動を開始。2006年からは、無料乳がん検診を導入し、さらに2009年からは、男性社員の配偶者にも適用し、現在社員の乳がん検診率はほぼ100%です。

取り組もうとしたきっかけ

一人ひとりが自分らしくイキイキと働き続けていくため、女性が勤務継続困難になる課題を洗い出し、それらをカバーする制度を導入しました。皆が安心して働いていけるよう、取り組んでいます。

工夫されたこと、大変だったこと

当初は生理およびPMSによる休暇と不妊治療のための休暇をすべてまとめた休暇制度にして、それらを悩んでいると思われる女性のみが利用できるよう進める予定でした。 しかし、PMSや不妊治療について調べていく中で、不妊については女性だけではなく男性も悩んでいるという事を知り、生理およびPMSで女性が利用できるエフ休暇と、不妊治療で利用できるライフサポート休暇を分け、ライフサポート休暇については男性も女性も利用できるようにしました。

どんな効果がありましたか

制度の周知目的も兼ねて休暇制度の名称を全社員から募集しました。その効果もあり、「エフ休暇」にした後の取得者は、生理休暇のみだった時と比較して約2倍になりました。 PMSで苦しんでいた社員からは、「PMSの症状は人それぞれなので、PMSの不調に悩んでいる人がいることを知ってもらうだけでも気持ちが楽になった。」という声もありました。

ワーク・ライフ・バランス推進のための取り組み

フレックスタイム、テレワークの導入、時間単位年休制度、失効年休積立制度、時短勤務者の評価制度の見直し、連続5日休暇の奨励、 「親子の絆休暇」(※)等 を導入しています。※看護休暇でカバー出来ない中学入学前の子がいる社員を対象に年5日取得できる休暇

取り組もうとしたきっかけ

社員のモチベーションは企業の生産性向上に大きく関わります。 時代が大きく変化していく中で、自由な発想や感性を磨き時代をリードできる社員育成を行うため、 時間や場所にとらわれることなく、それぞれに合った働き方を「自分で選択できる」環境を整えました。

工夫されたこと、大変だったこと

社員にアンケートを実施し、自社の社員が必要としていることが何かを知ることから始めました。 その結果から取り組むべき課題を抽出し、解決のための方法として、制度や取組みを検討した次第です。 制度を導入することは難しいことではありませんが、自社に合うように細部を調整し、ルールを作り上げていくことに苦労しました。 導入して終わりではなく、いかに一人ひとりに理解していただき、活用してもらうかということが重要ですので、現在も継続して周知活動(全員朝礼、研修教育、HP掲載、社内ロールモデルのインタビューの公表)等を行っています。

どんな効果がありましたか

一人ひとりが最もパフォーマンスを高めた働き方が出来るようになりました。 また、結婚や出産、配偶者の転勤等、その他人生における転機に、今までは就業を続けることが難しいと判断し 退職を余儀なくされた社員もいましたが、現在は継続して働き続けることが出来ています。

今後の課題や展望

変化の激しい時代に柔軟に対応し、最大限のパフォーマンスを上げお客さまに安心・安全で、高付加価値な商品・サービスを提供できるような環境を継続して構築していくことです。制度は導入して終わりではなくそこからがスタートです。 どれだけ活用できる職場環境・風土にできるのか、それにはやはり「人」が重要です。 制度は導入して終わりではなく、皆が「働く」ということを自分のこととして捉え、積極的に制度を活用してもらえるようにしたいと考えています。 最近では「男性育休」の取得奨励にも力を入れており、全社員が心身共に健康的で自分らしく働けるよう働きかけていきたいと考えています。

ミーティング

ミーティング

大阪本社

大阪本社

(2021年10月の取材に基づく内容です。)

一覧に戻る