妊娠・出産
・産後の不調

妊娠初期から産後まで 母体の変化と仕事への影響

妊娠は病気ではありませんが、母体には大きな変化が起こります。仕事にも様々な影響がでる場合がありますので、職場とはよく話し合って、赤ちゃんのためにも、 必要なときは適切な対応を申し出ましょう。

1.妊娠・出産期の心身の変化と職場への影響

妊娠・出産期の心身の変化と職場への影響などを妊娠時期ごとに紹介します。

妊娠中、全期間

心身の変化と症状 疲れやすい、立ちくらみ、一時的な聞こえにくさ(耳閉感)などを感じることがあります。
仕事への影響として考えられること 作業効率の低下、集中力の低下がある場合や、突然の自宅療養や入院となる可能性があります
本人のアクション 仕事への影響が強い場合は勤務について上司に相談しましょう。母性健康管理指導事項連絡カードを活用しましょう。
職場のサポート 休憩をとれる場所を確保しましょう。(体を横にできる場所が望ましい)いざという時のために日頃からチーム体制を整えておきましょう。

妊娠初期(2~4か月)

心身の変化と症状 つわりが始まると、臭いに敏感になったり吐き気などが強くでる場合があります。頻尿になることも。流産しやすい時期でもあります。
仕事への影響として考えられること つわりによる吐き気や気分不調が起こることがあります。流産を防ぐためには、走らない、長時間の立ち作業や歩行の継続を避ける、重いものを持たないなど動作の制限が必要です。
本人のアクション 妊娠の報告をしましょう。つわりで空腹時に気分が悪くなる場合、自席や休憩室での飲食を認めてもらいましょう。流産予防のために重労働の回避や勤務時間の調整が必要なら、職場に申し出ましょう。 産休・育休の時期や、業務の引継ぎなど、早めに職場と相談しておきましょう。
職場のサポート 本人からの申告や主治医等からの指示により、仕事の内容や勤務時間を調整しましょう。産休の開始時期に向けて業務の調整や引継ぎの指示を行います。

妊娠中期(5~7か月)

心身の変化と症状 比較的安定している時期です。お腹が目立ってくるとともに、腰痛が現れやすくなります。また貧血にもなりやすく、動悸や疲れやすさを感じることも。まれに早産になることがあります。
仕事への影響として考えられること 腰痛で動きにくくなる場合があります。まれに、流産や早産の傾向が出ることがあり、出血や腹痛などのため、急に安静が必要となる場合があります。
本人のアクション 流早産予防のために長時間の立ち作業や歩行の継続を避けましょう。お腹が張る時には座って休憩をとりましょう。 産休開始時期や復帰時期について会社と相談しましょう。
職場のサポート 復帰時期のスケジューリングを始めましょう。妊婦の状態によって業務内容の検討や調整を行います。制服の場合には、妊婦用のゆとりのある制服を支給しましょう。 また妊娠の経過によっては、産前の休業開始が早まる可能性もあるので、体制を整えておきましょう。

妊娠後期(8~10か月)

心身の変化と症状 お腹が大きくなり、足元が見えにくかったりバランスを取りにくくなることがあります。浮腫や静脈瘤が出ることがあります。 出産が近づくにつれてお腹が張りやすくなります。おなかの張りが続く場合は子宮が収縮することによる早産の危険性が高くなるので注意しましょう。夜間の睡眠が浅くなり、睡眠不良となったり、子宮が胃を圧迫し、つわりのような気分になることがあります。
仕事への影響として考えられること 歩行が遅くなります。早産予防のために行動が制限されたり、夜間の睡眠不良のために、仕事への影響が現れることがあります。
本人のアクション 浮腫や静脈瘤に対しては、長時間の座位や歩行は避けることが必要ですので、症状により、時折運動をするような時間を取りましょう。妊娠高血圧症候群の予防のために十分な休息が必要です。
職場のサポート 就業中に時折休憩や、運動の時間がとれるよう配慮するとよいでしょう。妊娠経過及び出産後の状態により、産休の時期が変動する可能性もありますので、臨機応変な対応ができる職場の体制が望まれます。産休・育休後の職場への復帰計画を確認しましょう。

産後

出産に伴う状態 マタニティブルーズ(情緒不安定、涙もろさ、抑うつ気分、不安感等)や産後うつになることがあります。 母乳の分泌による乳房の張り、つっぱり感、場合によっては痛みがあります。夜間の授乳のため、睡眠不足になることがあります。
仕事への影響として考えられること 育児も家事もしっかりやろうとして、体調を崩してしまうことがあります。夜間授乳による睡眠不足のため日中の職務への影響(眠気、集中力の低下など)の恐れがあります。
本人のアクション 復帰時期について職場への復帰時期や、勤務時間、仕事の内容など、職場と確認しましょう。 復職後、体調が悪い場合は、相談して業務などの調整をしてもらいましょう。
職場のサポート 乳腺炎にならないために、適時搾乳できるスペースや母乳冷凍保存のための冷凍庫等の設備の準備が望まれます。出産後の母体の回復についての理解、授乳による体調不良(乳房痛、睡眠不良)についての理解と配慮をしましょう。

出典:「事業主の皆様へ マタニティハラスメントの起こらない職場づくりハンドブック」
一般財団法人女性労働協会 平成27年度開発プログラムより作成




〇働きながら安心して妊娠・出産を迎えるために
詳しくはこちら「女性に優しい職場づくりナビ」


〇母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)
主治医等から診断や指導を受けた場合、職場への連絡に利用しましょう。
こちらからダウンロード


〇妊娠・出産に伴ううつ病等
詳しくはこちら e―ヘルスネット「妊娠・出産に伴ううつ病の症状と治療」


〇妊娠中のトラブル
詳しくはこちら ヘルスケアラボ「マタニティトラブルQ&A」


2.事業主の皆様へ

母性健康管理

妊娠は病気でないとはいえ、女性の心身には大きな負担・変化があります。 働く女性が安心して子どもを生み育てることができるように職場における「母性健康管理」を推進しましょう。


〇女性にやさしい職場づくりナビ
詳しくはこちら 企業ご担当者の方


〇※新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、母性健康管理措置の指針(告示)の改正
詳しくはこちら(厚生労働省)


マタニティハラスメントの防止

妊娠・出産・育児休業等を理由として、解雇、雇い止め、退職の強要、正社員からパートなど非正規社員への転換の強要を行うこと等、不利益となる取扱いは違法とされています。 また事業主は、法律に基づき妊娠・出産、育児休業、介護休業等に関する上司・同僚からの職場でのハラスメントの防止措置を講じなければなりません。


〇厚生労働省パンフレット「職場でつらい思い、していませんか?」
詳しくはこちら(厚生労働省)


職場の風しん予防対策

妊娠した女性(とくに妊娠20週頃まで)が風疹にかかると、眼や心臓、耳等に障害のある子ども(CRS:先天性風しん症候群)が生まれる可能性があります。妊娠を希望する人は予防接種を受けましょう (妊婦は予防接種を受けることができません。) また、風しん流行の中心は働く年齢層で、特に予防接種空白期間の世代の男性は要注意です。職場での感染を防ぐため、職場での予防対策を進めてください。


〇厚生労働省リーフレット「職場の風疹予防対策について」
詳しくはこちら(厚生労働省)


※予防接種空白期間世代の男性(昭和37年度~昭和53年度生まれの男性)に対する風しんの抗体検査と予防接種のご案内
詳しくはこちら(厚生労働省)


男性の育児休業取得促進

国では、男性配偶者の出産直後の休暇取得を推進しています。妻の出産直後に男性が休暇を取得し、家族との時間を過ごすことで、産後の妻の心身のサポートになると同時に、父親であることを実感し、 家族の結び付きが深まります。育児や家事のきっかけにし、これまでの働き方や生活を見直す機会にもなります。是非、男性の育児休業取得を促進してください。


〇さんきゅうパパプロジェクト
詳しくはこちら(内閣府)