企業取組事例
北都システム 株式会社

産業保健師による女性従業員との1対1の面談で、相談窓口の周知と相談しやすさを実現!

「会社はあくまでサポート役。取り組みは各自の責任で。~健康の押し売りはいたしません~」という姿勢を貫いて、健康経営に取り組んでいる。 総務部で担当しているが、制度があるだけでは回らない、運用の決め手は、現場の社員であり、性別年齢関係なくフレキシブルに対応している。

北都システム
北都システム 株式会社
https://www.hscnet.co.jp/
  • 業種:情報サービス業
    (ソフトウェア受託開発、クラウドサービスの提供)
  • 本社:札幌市厚別区厚別中央2条3丁目5-11
  • 従業員数(男女別):220名(男:183名 女:37名)
  • 産業保健スタッフ数:1名

主な取り組みのポイント

産業保健師による健康相談会を実施

2021年2月、女性の産業保健師を1名採用したことをきっかけに、産業保健師の存在を知ってもらい、気軽に相談してもらえるよう、まずは女性社員を対象に健康相談会を実施 した。この相談会は昨年度の健康診断フォローなども目的としたもので、オンラインや対面で、ほぼ全女性従員と1対1で行った。その結果、遠方の社員や、在宅ワークの多い従 業員にも相談窓口の周知ができ、産業保健師の顔を知ることで、相談しやすくなった。その他、産業保健師には客先勤務/在宅勤務の社員にも届くように社内報ラジオ放送やブ ログでの健康情報発信も担ってもらっている。(後述)従来の社外ツールの相談チャットに加え、産業保健師への社内相談チャットもプラスした。

【女性従業員の声】

  • 女性従業員対象の相談会があったことで、コミュニケーションがとれ、今では頼りになる存在となった。今では、体調が悪いときに、病院へ行く前にも相談している。行った後も、もらった薬のことを気にかけてもらっている。
  • 部署内では、年齢層が高い自分は、あまり周囲に相談できないので、産業保健師さんに相談できるのがありがたい。


婦人科検診費用を2011年から年齢不問で全額会社で負担し、さらに、わかりやすいイラスト入り資料で受診を推奨。

婦人科検診のオプションを全額会社で負担している。女性従業員の割合が高くはなかったので、費用補助が取り組みやすかったのがきっかけである。婦人科検診受診率は78.9%。 その後、健康診断オプション費用は、性別に関係なく全額会社負担へと拡大した。定期健診についての資料も作成していて、オプションの説明と健診後の精密検査について詳しく解説している。    

子宮がん検診


柔軟な育児時短勤務

【女性従業員の声】

  • 子供が低学年のうちは、フルタイムでの勤務が不安だったので、時短勤務があるといいと要望したところ、小学校3年まで認めてもらえたため、不安がなくなった。

その他の取り組み

社員および扶養家族のインフルエンザワクチン接種費用を全額会社負担としている。その他の家族についても要望に応じて柔軟に対応している。


【女性従業員の声】
  • 夫の扶養になっている子供のインフルエンザ接種は、夫の会社では費用補助がなかった。そのことをアンケートに書いたところ、要望に応えてくれ、北都システム側で費用補助を出してくれることになった。柔軟に対応してくれて助かった。
  • 新型コロナウイルスワクチン休暇制度導入(接種日および副反応時)
  • 社内報ラジオ放送や、社内報ブログで健康情報を発信している。「10分間で聞く健康ラジオ」と題して、平日の朝、産業保健師がラジオで解説している。 今までの放送は、「朝ご飯をたべましょう!」、禁煙デーの「禁煙外来の紹介」、「睡眠研修の説明」等、ラジオでは女性に特化したというより、 全職員に向けての情報発進が多い。ラジオは、情報発信のツールの1つであり、そのほか、最低月1回の社内報ブログで健康情報を発信している。
  • 以前は、ドリンクの自動販売機しかなかったが、健康への取り組みを機に、事務所の休憩スペースに置き型社食サービス「オフィスごはん」を設置。 はじめは冷凍総菜のみだったが、無添加・塩分・糖質OFFにこだわった味噌汁、カップ麺、レトルト食品を独自調達。 さらには、アイスクリーム、エクレア、プレミアムスムージーなども販売している。この話題で社員同士のコミュニケーションも活発になった。

健康対策に取り組もうとしたきっかけの取組

福利厚生が充実している企業として、はっきりと特色を出したかった。又、健康を損ねることによる労働力の低下をできる限り減らしたかった。女性の健康対策など、当たり前に取り組んでいたものが、意外とPRできそうだったから。

導入に際して工夫したこと、大変だったこと

女性の健康対策については、事例が少なすぎて、どこまでを標準ラインとして制度に取り込むべきか悩んだ。try&errorでうまくいかなかったこともあった。

効果

会社からのサポートが手厚くなったことで、従業員満足度は上がっていると実感した。
育休/育児時短を活用する女性社員がいる事実からも、必要性を実感している。


【女性従業員の声】
  • つわりの辛さの程度によって、休みには踏み切れない時、今のようにテレワークがあれば良かったと思った。
  • 昨日、子供が熱を出し、解熱してから24時間以内は登園できないので、今日のインタビューにも参加できないかと思ったが、テレワークで対応できたので良かった。(インタビューはオンラインで実施)
  • 産休・育休中、上司が数ヶ月に1回電話をくれ、会社の状況を知らせてくれたことがありがたかった。
  • 入院したときに、ストック休暇(※1)を利用できたのがよかった。
  • 見本となる女性の先輩がいないので、この先、働き続けられるのか不安。更年期の情報等がもっとほしい。
  • 産後の勤務時間のやりくりで職場に助けられている。仕事の優先順位をつけ、どうしても帰らなければならないときは上司に仕事を任せて帰宅する。家の中では、食洗機やルンバを活用している。 食事は、CO・OPを利用している。

  • ※1ストック休暇とは、積立年休のこと。適用範囲も拡大し家族看病、がん治療などの長期療養、不妊治療などにも使用できる。現在は、最大40日まで積立可能。

【男性従業員の声】
  • 休んでいる間、元いた部署のことを意識してもらった方がいいと思い、産休中の従業員には時々電話するようにした。
  • 妊娠中の部下には、つらそうな時もあったので気を配った。
  • 部下と話しやすい環境づくりを心がけていた。
  • 仕事をする上で、部下に対して気がついたことは指摘しているが、本人が効率的に仕事をする意識が重要ではと思う。
  • 部下とのコミュケーションでは、自分の言動がハラスメントにならないかどうか、考えるようにしている。部下の事情について、知っておかないと対応できないこともあるので、個々人にあわせたコミュニケーションができるよう配慮している。
  • 時短勤務をとっている従業員もおり、プロジェクトのキーポジションの仕事もしてもらっているので、お客様にも事情は伝え、ご理解をいただいている。チーム全体でフォローしている。
  • 会社の健康経営の取り組みに関しては、メンタル面も含め、福利厚生もいろいろ考えられた内容になっていると思う。取り組みの数も多いく、私も活用させてもらっている。
  • 今後の女性健康課題については、保健師さんから情報をくれることで共有がなされると思う。
      
      
    

プラグマ

社食スペース

プラグマ

保健師 丸田さん

(2021年6月7月の取材に基づく内容です。)

一覧に戻る