企業取組事例
株式会社 新日本科学

「従業員の健康第一」のトップメッセージを実現!社長自ら健康対策を企画
株式会社 新日本科学
https://www.snbl.co.jp/
  • 業種:医薬品開発受託事業
  • 本社:鹿児島県
  • 従業員数:1,001名(うち女性496名)
  • 産業保健スタッフ数など:健康管理課、総務人事本部(保健師:2名)

主な取り組みのポイント

乳がん・子宮がん検診(任意検診)の導入(2010年度から)

検診の重要性を理解してもらうため、検診制度の導入前に健康教育を実施!

会社が任意検診として導入する前に、乳がんモデルを指導ツールとして活用し、各拠点にて実際に“しこり”を触ってもらう事で 、乳がんを身近なものとして感じてもらい、検診の重要性についても健康教育を通じて啓蒙を行った。


ヘルスアップセミナーを各拠点で実施

きっかけは、社員からの要望。指導を行う部屋には、アロマを焚き、ハーブティを飲みながら参加してもらうなど、従業員満足度を高める工夫も行った。

主な指導内容は、女性のライフステージごとの女性ホルモンの働き、月経周期、月経前症候群、子宮・乳房の疾患、おりものに関する内容であり、どちらかというと隠したい話になるので、 それを払拭して、リラックスしてもらいたいと言う気持ちからアロマを焚いたり、ハーブティの提供なども工夫した。さらに、健康できれいになるための生活習慣見直しポイントなども盛り込み、すぐに役立つ具体的な内容とした。


Q&A方式で配布資料を作成

資料の作成前に現状を知るアンケートを実施!現状とマッチングした資料が好評。

『女性のための20項目ヘルスチェック』のアンケートを健康教育実施前に行い、かなりデリケートな質問だったので、どのくらい回答してくれるか心配だったが、女性が発信する女性のためのヘルスチェックだったので、 大勢の社員が回答してくれた。そのおかげで、現状とマッチングする資料提供ができた。健康でキレイになるための食生活の具体的内容やむくみ対策、便秘改善、髪のパサつき改善、肌トラブル改善など、女性が日々悩んでいるけれど、正しい具体的な対応策がよくわからないで 困っている問題点にフォーカスして、具体的な解決策を示した資料を作成し、配布した。
例)便秘だったらどうしたらいいの?食物繊維をたくさんとりなさい。それでは生活に結びつかないので、具体的に何をどのくらい食べたら効果が期待できるのかを伝えた。

性別問わず実施している健康対策

  • ポピュレーションアプローチ(健康教育など)
  • ハイリスクアプローチ(個別保健指導など)
  • 定期健康診断結果に基づく二次健診受診勧奨と事後措置
  • 定期健康診断結果に基づく保健指導の実施
  • 健康づくり支援事業(健診結果に異常なしの人への健康支援費支給、年間MVP表彰など)
  • 日帰り健康セミナー実施(ウエルネスツーリズム)
  • 肩こり・腰痛予防対策事業(トランクソリューション導入、外部講師による講演など)
  • 感染症予防対策(イントラ申請による勤務対応措置、COVID-19の感染防止対策フローの構築など)
  • 追加検診補助金制度(2020年度から導入:がん検診・甲状腺・人間ドックなど)
  • メンタルヘルス委員会(1回/月開催)
  • 健康相談窓口設置
  • メンタルヘルス相談窓口設置
  • 健康問題発生に伴う両立支援
  • メンタルヘルス教育(外部講師による講演開催など)
  • ストレスチェック結果に基づく職場環境改善
  • がん早期発見のためのがん検診導入(2010年度から導入:PSA、乳がん・子宮がん検診)
  • 禁煙支援プログラム実施
  • 社員食堂でのヘルスアップメニューの提供

健康対策に取り組もうとしたきっかけ

CHO(最高健康責任者)である社長からの提案で、人間ドックや低線量肺CT検査、女性社員を対象とした甲状腺の検査等にたいしての補助金制度を導入した。定期健康診断+αの充実した健康管理内容でこの会社に入って良かったと思ってもらい、 さらに従業員の健康保持・増進が実現できれば素晴らしいと考えている。
社長が医師という事、保健師を採用した事もあり、産業保健スタッフと人事と一致団結、協力しながら、社長の指導のもと、社員一人一人が健康で幸せになってもらいたいという思いから、様々な健康管理対策を整備していった。

導入に際して工夫したこと

経営陣の承認を得るための説明と対象者となる女性社員への正しい知識の啓蒙

いつ頃から取り組んでいるか

15年ぐらい前から、少しずついろいろな施策を積み重ね醸成していった。

効果

2009年、各拠点で乳がん子宮がんの検診受診について質問してみたところ、数人程度しか受診している人はいなかったが、任意検診導入や健康教育実施により、受診率は数%から約70%へ増加した。未受診者についても個人での受診を行っており、 任意検診受診者とプラスするとほぼ全員が受診している状態へ改善した。がん治療をしながら、仕事と両立している従業員もいる。

今後の課題、展望

健康経営のPDCAを回しながら醸成していく事と、女性の健康管理のさらなる充実とともに社員一人一人の健康保持・増進を支援すること

女性従業員の声

  • がんの手術を2回している。会社が加入している健保の保検給付も助かったが、休暇に入る前に、会社からパソコンを支給していただいたことが良かったこと。 術後はすぐには、仕事ができないが、体調が少し落ち着いた時に、自宅で仕事ができ、復職するときもスムーズだった。

  • 現在でも、仕事もしながら治療も行っている。実は、3箇所の病院に通院していて、その時に、時間単位休暇がとれるので、とても助かっている。

  • 急なことで、周りの方々には、迷惑をかけてしまったが、「ゆっくり休んでね」と言われたのが、本当にありがたかった。


乳がんモデルを見る社員
  乳がんモデルを見る社員
ウエルネスツーリズム
ウエルネスツーリズム
  ウエルネスツーリズム
  (日帰り健康セミナー)
女性のためのヘルスアップセミナー
女性のためのヘルスアップセミナー

(2020年8月の取材に基づく内容です。)

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