専門家コラム

冷え対策!体をあたためる食材、冷やす食材

働く女性を対象とした調査(注1) では、6割の女性が「冷え」を訴えていました。 身体が冷えるこの季節、冷えに悩む方にとっては辛い時期。 温活グッズなども心強い味方ですが、食事や生活習慣から身体の内側から熱を産める身体づくりをはじめませんか?

1. 働く女性の6割が ”冷え”に悩んでいる…その原因は体型と食事にあった

オフィスで1日中デスクワーク、以前と比べて筋肉が落ちてきた(と感じる)、夜はシャワーで簡単に済ませる、 日常的な運動習慣はあまりない、食事は簡単に済ませることが多い、食べすぎないように注意している、 朝ごはんは食べない日もある…これらの習慣や傾向は働く女性に多くみられる特徴ですが、 これらは全て「冷え」の原因となるリスクが高く、冷えを深刻化させる要因でもあります。 そして、見落とされがちな痩せ型体型(BMI20未満)も冷えの原因となることが分かっています。 痩せ方女性(BMI低値)は筋肉量の不足による血流の滞りがあるため、先ほどご紹介したような習慣の見直しや痩せ型体型の場合は、 これらの改善により冷えの軽減が期待できるかもしれません。
体型以外の要因としては遺伝的要因(注2)や加齢による筋肉量低下から起因する代謝の低下、 甲状腺機能の低下による、体温調整・新陳代謝機能の低下による冷えなども挙げられます。



2. 身体を温める食材と冷やす食材と知っておきたいおすすめ習慣

身体を冷やす食材、温める食材の分類は様々な考え方がありますが、 一般的には食材の旬・産地などによって分類されます。 暑い時期・地域(国)でとれる食材は、身体の熱を逃し(冷やし)、反対に寒い時期・地域(国)でとれる食材は、 身体を温めてくれる、とされています。

身体を冷やす食材

  • 精製された食品(白砂糖・白米・小麦製品など)
  • 夏が旬/温かい地域でとれるもの(ナス・トマト・きゅうり・オレンジ・バナナなど)

身体を温める食材

  • 未精製の食材(黒糖・胚芽米など)
  • 冬が旬/寒い地域でとれるもの(にんじん・れんこん・ごぼう・ほうれん草など)
  • 発酵食品(味噌・納豆など)
  • その他(お肉やお魚などのたんぱく質食材/ビタミンEが豊富なナッツ類やアボカド/ココアなど)


また、私たちは食事をすることでエネルギーを生み出すことができ(DIT /食事誘導生熱産生)、 一般的な食事では、1日の消費エネルギーの10%ほどに相当します。食材の選び方はもちろん、 1日の中で3回の食事、補食を取り入れながら、身体の内側から熱を生み出せる習慣を作っていくこともおすすめです。 特に、働く女性の4割近くが欠食していた朝食(注3) も、冷えを改善するためには欠かせない大切な習慣です。 私たちは寝ている間に体温が下がりますが、朝食はその体温を引き上げ、代謝を上げて日中も冷えの改善につながります。
朝食を食べる人は、食べない人と比較して、筋肉量が多い傾向(注4)にあることもわかっているため、体質的にも熱を生み出し、 冷えを予防できる体質を整えることにつながります。
おすすめのメニューは消化の過程で熱を生み出す割合の高い、たんぱく質+糖質を組み合わせたメニューです。
現在の食事内容を振り返り、プラスαできるメニューがある方はぜひ取り入れてみてください。


朝食を食べる人・食べない人の筋肉量の違い


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(注1) 2015年まるの内保健室調査/Copyright© 2016 三菱地所株式会社・一般社団法人Luvtelli 東京&NewYork All Rights Reserved.
(注2) 冷え症体質と倹約遺伝子    https://doi.org/10.11227/seikisho.52.199/
(注3) 2015年まるの内保健室調査/Copyright© 2016 三菱地所株式会社・一般社団法人Luvtelli 東京&NewYork All Rights Reserved.
(注4) 2015年まるの内保健室調査/Copyright© 2016 三菱地所株式会社・一般社団法人Luvtelli 東京&NewYork All Rights Reserved.



豊永彩子先生

著者:豊永彩子
管理栄養士/フリーランス
一般社団法人Luvtelli(ラブテリ)